治療開始時期・治療期間

治療開始時期・治療期間

治療開始時期・治療期間

治療開始時期

従来、歯ならびの治療、すなわち歯の矯正治療は、永久歯が生えそろった頃に開始していました。
しかし、その結果、多くの場合永久歯を抜かなければならなくなってしまいます。
歯ならび・かみ合わせの異常は、
・ 口を開いて口で呼吸している
・ 舌が正しく機能しない
・ 噛む回数が少ない
などの原因により、唇・頬・舌のちからのバランスが崩れることにより、歯ならびは悪くなります。
永久歯が生え揃ってから治療すると、唇・頬・舌の力を無視したところに歯を並べることになってしまい、その結果再び歯ならびが悪化する「再発」が起こってしまいます。

できれば永久歯がはえはじめる前からはじめるべき

乳歯が永久歯に生え替わる頃には、本来『すきっ歯』(下写真)になっていなければなりません。
歯と歯の間に隙間が出来ることにより、大きな永久歯が正しい位置に生えることが出来るのです。
{歯ならび すきっ歯 空隙歯列}
ところが、現在永久歯が生え替わる頃になっても、乳歯の間に隙間のないお子様が、非常に多くなっています。
もしお子様の歯が『すきっ歯』でなければ、治療が必要である可能性が高いといえます。

 

・ 3歳になって乳歯の間にすき間ができてこない
・ 乳歯なのに歯ならびが悪い

 

場合は、予防的な対応(口腔育成)や早期治療を少しでも早く受けられるべきだと考えます。
なぜなら、上あごの成長はこの時期までに最も成長するからです。

前歯の永久歯が生えはじめたが、スペースが足りなさそうなとき

乳歯から永久歯への生え替わりは、通常下の前歯から始まります。
前歯の永久歯乳歯よりかなり大きく、生え替わりはじめたときに
「永久歯の生えるスペースがなさそう」
「永久歯の歯ならびがガタガタになってきた」
と保護者が見てわかる状態になったときは、すぐに治療を開始すべきであると、当院では考えています。

少しでも早く治療を開始した方が良い理由

お母様方が「歯ならびを診てほしい」と来院されたときには、ほとんどがすでに小学校に入学しています。
その時期から お口の機能や姿勢・呼吸の訓練をしても、歯ならびを悪化させた原因であるお口の機能異常が治りにくくなっています。
その結果、治療後に歯ならびが再度悪化(再発)することも、少なくありません。
したがって、機能に問題が起こり始めた時点で見つけ出し、その時点で修正すること、更に言えば問題が起こらないように予防することが極めて大切です。

様々な開始時期

三重県四日市市のさくら総合歯科では、矯正歯科治療の開始時期を次の4つに分けて考えています。

1.予防矯正

自然によくなった歯ならびと、矯正歯科で歯ならびを矯正治療した場合とでは、その安定性に大きな差が生じます。
そもそも、歯は歯ぐきから顔を出したときは結構適当な位置にはえてきます。
ところが、あごの大きさが十分にあり歯が並ぶスペースさえ確保されていれば、最終的に歯はきれいに並びます。
唇や頬が外側から押す力と、舌が内側から押す力のちょうどバランスのとれたところに自然と歯が移動していくことにより、歯は最善の位置で安定します。
ところが、いかなる矯正治療においても、この絶妙なバランスのとれたところに歯を並べることは、現実的にはほぼ困難です。その結果、せっかく並んだ歯もやがて移動して“後戻り”という現象が起こり、歯ならびやかみ合わせは崩れていきます。
したがって、自然に歯ならびがよくなるように、予防的な対策を取る
予防矯正
が最善の対策、と四日市市のさくら総合歯科では考えています。
なお、“予防矯正”と言う言葉を違う趣旨で使っている歯科医院もありますので、当院の予防矯正と混同されぬよう、ご注意下さい。

2.乳歯列期からの矯正

乳歯の時期には、先に述べたように3歳前後から歯と歯の間にすき間がある“空隙歯列”になっている必要があります。
また、乳歯のかみ合わせは、前歯の先っぽ同士がかみ合う“切端咬合”に近い状態であるのが正常と言われています。
しかし、周囲の未就学時を見てみると、おそらくそのようなお子様はほとんど見つからないと思います。
それくらい、今の子どもたちのお口の状況は深刻です。

 

そしてお口の状況に問題がある子どもたちは、多くの場合呼吸に問題を抱えている、と小児歯科医は考えています。
この呼吸の問題を早く改善するためにも、そうなった原因を正し、場合によっては応急処置として口腔育成装置「V-キッズ」を就寝時に装着させる対応を、当院では行っています。
また、たとえ乳歯列期でも、ご本人が許容してくれる場合にはマウスピース型や入れ歯型の装置を使い、呼吸の問題や永久歯の生えるスペースを少しでも早く確保しておく対応も行います。
「乳歯だからまあいいや」ではなく、乳歯列の頃にはじめることは大きなメリットがある、と四日市さくら総合歯科では考えています。

3.混合歯列期からの矯正

乳歯と永久歯が犬歯(糸切歯)がはえ変わる前に行うと、良い治療結果を得られやすく、しかも治療費を安くすることが出来ます。

4.永久歯列期からの矯正

乳歯がほぼ全て抜けてしまった頃には、あごの成長(特に上あご)はほとんど止まってしまいます。したがって、この時期までの矯正と、永久歯列期(乳歯が抜けて永久歯に生え替わったあと)では、治療に対する考え方や、治療に使う装置が大きく異なります。
また、抜歯が必要になることが多くなります。
この時点で矯正治療を開始すると、歯ならびが悪くなった原因を完全に改善することは難しく、どうしても後戻りが起きやすくなります。
したがって、三重県四日市市のさくら総合歯科では、永久歯列期からの矯正治療は、積極的に行っておりません。
特に、抜歯する必要のあるケースは、原則として当院では行っておりません。
したがって、中学生以降に開始することは、多くの場合お勧めしておりません。

 

成人の矯正については、成人の矯正の問題点のページに記載した通り、当院では原則として行っておりません。

治療期間

治療期間については、さくら総合歯科では以下の4つの段階に分けて考えています。

コラム 治療期間短い方が良いか、長い方が良いか

そもそも歯ならびが悪いのは、歯のはえるスペースが足りないことが原因です。
したがって、歯を並べるためには、何らかの形でスペースを作る必要があります。

短期間で治療を行うためには

その方法として最も手っ取り早いのが、歯を抜くこと(抜歯)です。
歯を抜いたらその時点で十分な歯の並ぶスペースを確保できます。
したがって、治療も短期間で終了します。

歯を抜いてしまうと

ところが、抜歯して作ったスペースは、ほとんどの場合必要以上に大きくなってしまいます。
そのスペースを埋めるために、歯のならびをより小さくする必要が生じます。
その結果、歯の裏側(内側)のスペースが狭くなります。
そして、そこにある舌は後方に押し込められます。
舌の後ろは気道の一部です。そこが狭くなると、呼吸に問題が生じます。
呼吸に問題が生じると、すぐに体調に異常を感じることもありますが、多くの場合は成長が止まったあとに何らかの形で体調を崩すことが、ベテラン歯科医師の間で懸念されています。

歯を抜かないと治療期間が長くなる

歯を抜かずにきれいに歯が並ぶスペースを獲得するためには、成長が盛んな年齢にあごの成長を促す必要があります。
したがって、一瞬で抜歯によりスペースを作るより、治療期間が遙かに期間が長くなります。
しかし、抜歯する場合とは逆に舌のスペースが広くなるので、呼吸にとってプラスになります。
このことは、かけがえのない利点であると考えています。

実際の治療期間

乳歯が全て抜けて(親知らずを除く)永久歯が全てはえ揃うのは、12歳前後以降です。
近年、最後に生えてくる第2大臼歯(12歳臼歯)がゆがんで生えてきたり、うまくはえてこない場合が多くなった、多くの小児歯科医が気付いています。
第2大臼歯は姿勢の維持やあごの関節への影響が強く、外から見えないからと言って軽視すべきで貼りません。
従って、最低でもこのくらいまでは月1回観察することをお勧めします。
また、歯並びが安定するためには歯並びを悪くする原因が治ることが必要なので、本来はその原因が治ったことを確認するまでは通院していただくのがベストです。ただ、中学校に入ると部活動や受験で忙しくなり、毎月の通院が難しい場合は、歯が大体並んだ時期で「保定装置」を装着します。
この場合、3〜4ヶ月に1回経過観察にお越しいただき、歯並びの安定度を見ながら保定装置の装着時間を徐々に短くしていきます。

親知らずの抜歯時期

さらに、親知らず(8番目の歯)、特に下の親知らずがあごの骨の中で成長してくると、それが原因で再び歯ならびが悪くなる場合があります。
場合にもよりますが15歳以降早めに抜歯した方がよい、とされています。
このくらいの年齢で抜いた方が、1つ前にはえる第2大臼歯の寿命に好影響がある、腫れや痛みが長引きにくい、などの利点もあります。

短期間で終わるのがよい矯正・・は誤り

以上の理由により、さくら総合歯科は 『早かろう、よかろう』は矯正歯科治療においては成立しない、と考えています。

治療開始時期は?

 

歯ならび・かみ合わせの異常は、

 

・ 口を開いて口で呼吸している
・ 舌が正しく機能しない
・ 噛む回数が少ない

 

ことが主な原因です。(歯ならび・かみ合わせが悪くなる原因参照)
これらの原因によりあごの骨の成長が不十分となり、永久歯のはえる隙間が足りなくなります。その結果、歯ならびが悪くなります。

 

従来、歯ならびの治療、すなわち歯の矯正治療は、永久歯が生えそろった頃に開始していました。
しかし、その結果、多くの場合永久歯を抜かなければならず、唇・頬・舌の力を無視したところに歯を並べることになるため、理想的な治療とは言い難いものでした。

 

歯ならびが悪い・悪くなりそう

 

乳歯が永久歯に生え替わる頃には、本来『すきっ歯』(下写真)になっていなければなりません。
歯ならび すきっ歯
歯と歯の間に隙間が出来ることにより、大きな永久歯が正しい位置に生えることが出来るのです。

 

幼児 歯ならびの治療ところが、現在永久歯が生え替わる頃になっても、乳歯の間に隙間のないお子様が、非常に多くなっています。
もしお子様の歯が『すきっ歯』でなければ、治療が必要である可能性が高いといえます。

 

・ 3歳になって乳歯の間にすき間ができてこない
・ 乳歯なのに歯ならびが悪い

 

場合は、予防的な処置や早期治療を受けられるべきだと考えます。

 

前歯の永久歯が生えはじめたが、スペースが足りなさそう

 

乳歯から永久歯への生え替わりは、通常下の前歯から始まります。学童 歯ならび治療
前歯の永久歯乳歯よりかなり大きく、生え替わりはじめたときに
「永久歯の生えるスペースがなさそう」
「永久歯の歯ならびがガタガタになってきた」
と素人(保護者)がみてわかる状態になったときは、すぐに治療を開始すべきであると、当院では考えています。

 

受け口

 

受け口 反対咬合 下顎前突上の前歯は通常下の前歯に覆い被さるように はえます。
それに対し、下の前歯が上の前歯より前に並んだ状態のことを 『受け口』 と言います。専門的には、反対咬合・下顎前突などと呼ばれています。
受け口は日本人の約4%に見られ、1年に約4万5千人の受け口の方が現れていることになります。
受け口は、多くの場合上唇の力や舌の位置の異常(低位舌)などが原因となり、
・ 上あごの発育が抑制され
・ 下あごの発育がより進んでしまうため
に起こります。(受け口は一部骨格の異常の場合もあります。)

 

皆様は、受け口のご老人を見たことがありますか?多分ほとんどの方は「ない」と答えられるでしょう。実際、受け口だった人が年を取ると歯が抜けてしまい、入れ歯になって前歯のかみ合わせが修正されてしまうため、健康な歯が揃った受け口の老人はほとんど存在しません。(前記東京歯科大学矯正歯科学講座の研究参照)
従来、受け口は『永久歯に生え替わるまで様子を見ましょう』 と放置されることがほとんどでした。しかし、受け口は放置しておくと、ほとんどの場合どんどんひどくなります。したがって、
「この子受け口かしら?」
と思われたら、すぐご相談いただいた方が良いと思います。

 

低年齢児には装置は使えませんが、生活習慣指導や簡単な器具、体操などで対応し、それ以上悪くならないように、できれば改善するような対応を取っていきます。
装置を入れることができる年齢になったら、マウスピース型の装置や歯の裏側に固定する装置、取り外しできる装置などを使用します。

 

あごの成長は、まず上が先に前方成長し、そのあと下が成長、そして上の歯であたったところでストップするようになっています。
ところが、受け口の場合、先に成長すべき上あごが、下あごに邪魔され成長できず引っ込んだままになってしまいます。逆にそのあと成長する下あごが、上あごがストッパーとして機能しないため、どんどん前に成長してしまいます。
その結果、顔つきまで大きく変わってしまうなどの問題が生じます。
顔つきは、成長が終わってから矯正治療を開始しても(手術を併用しない限り)あまり変わりません。
いったん成長した骨は縮めることはできません。この場合、下あごの骨を切断して後方に下げる『下顎枝矢状切断手術』を行わなければなりません。
この手術は、2週間から1か月入院する必要がある、術前・術後に矯正治療が必要になる、しかも術後に顔がパンパンに腫れる(顔が一時的に相撲取りのようにまん丸になります)など、結構大変です。
しかも、近年この手術をした後再び受け口が再発したり、体調を崩す、と言う報告が発表されています。
その問題が認知され始め、最近では上あごも切断し同時に前方に移動させる『Le Fort(ルフォー)T型骨切り術』も同時に行うケースが増えてきており、さらに大変です。したがって、手術を避けるためにも
受け口は、とにかく早く治療を開始することが必要です。

 

出っ歯(過蓋咬合・上顎前突)

 

出っ歯を訴えて来院される場合、実は本当の出っ歯ではなく『過蓋咬合』と呼ばれる状態が大半を占めます。
実は、本当の『出っ歯』はそれほど多くありません。

 

●過蓋咬合
過蓋咬合上あごの成長は正常もしくは不足しているが、下あごの成長が悪く、正面から見ると下の前歯が家の前歯に隠れてほとんど見えない または少ししか見えなくなった状態のことを言います。
いま、小児歯科界ではこの過蓋咬合である子どもたちが激増していることが問題になっています。
一見歯ならびが悪くないので放置されがちですが、下あごが小さいので呼吸に問題を起こしやすく、生涯の健康に大きな悪影響を与えてしまいます。
どうして過蓋咬合の子どもが増えのかは、証明された理由はありませんが、小児歯科界ではおそらく乳幼児期の発達段階で何らかの問題があるのではないか、と推測されています。
と言うことは、実は
歯がはえる前からの対応(予防)が極めて重要
である、と四日市のさくら総合歯科では考えています。
この件については、マイナス2歳からの予防・赤ちゃん歯科のページなどを参照してください。

 

乳児期を過ぎてしまったお子様には、主にマウスピース型の装置で対応します。

 

●上顎前突
出っ歯上あごの発育がよすぎるため、上の前歯が飛び出して見える状態です。
タレントの明石屋さんまさんが、典型的なこの状態なのは、皆様ご存じの通りです。
主にマウスピ−ス型の装置で対応しますが、あまり上あごが成長してしまうとそれを引っ込めるには手術が必要になるので、早めの治療を推奨しています。